CXOレターはメリットだらけ?手紙営業の効果を高める方法や例文を紹介
日本でも徐々に進むデジタル化ですが、そんな中において「CXOレター」に注目が集まっています。

弊社が運営する手紙のロボット代筆サービス「ロボットレター」でも、
CXOレター関連のご依頼が多くなってきております。

なぜ今、手紙を使った営業活動や施策を取り入れる企業が増えているのでしょうか。

本記事では、CXOレターのメリットをはじめ、効果を高めるポイントやCXOレター作成の手順などを紹介・解説します。

手紙に盛り込む具体的な内容や例文も紹介するので参考にしながら、さらに売上や収益をあげるための方法の一つとして積極的にCXOレターを取り入れてみましょう。

CXOレターとは

CXOレターとは最初に「CXOレター」についての基礎知識を押さえておきましょう。

営業施策の一つとして活用されることのある印刷DMとの違いについても解説します。

企業の特別職に就く人物へと送付する手紙

「CXOレター」とは、製品やサービスを企画・販売などしている企業が主に新規開拓のため、ときに既存顧客との関係維持を目的として送付する手紙のことです。

もしくは、その手紙を活用した営業施策を指す場合もあります。

営業施策を指すケースでは「手紙営業」と呼ばれることも多いでしょう。

「CXO」は「Chief X Officer」の略です。

「Chief」は組織の責任者を、
「X」は業務や機能を、
「Officer」は執行役を表し、

「CXO」はつまり、それぞれの業務や機能における組織の責任者を指していることになります。

「CEO(最高経営責任者)」や「CFO(最高執行責任者)」という略語は見聞きしたことがあるのではないでしょうか。

このように「X」にさまざまな業務や機能を当てはめることで、特定の役職を表すことが可能です。

ここから「CXOレター」は相手企業の特別な役職に就いている人物に対して送付する手紙であることがわかるでしょう。

印刷DMとの違い

企業に対する営業施策の一つに、DM(ダイレクトメール)があります。

DMを送付する場合は主に印刷物を利用することが多いのではないでしょうか。

CXOレターとの大きな違いは、まずこの点にあります。

CXOレターの多くは手書きで作成されますが、DMは印刷で作成されるのが一般的です。

また、CXOレターは、そのほとんどが特定の人物に対しオリジナルの文章によって作成されますが、印刷DMは同じ内容・デザインのものを複数の企業宛てに送付します。

印刷DMと比較して、大量作成が難しい点も大きな違いの一つです。

こうしたそれぞれの特徴をまとめると「特別感のあるCXOレター」と、特別感を見出しづらい印刷DMという違いがみえてくるのではないでしょうか。

この違いは非常に大きく、営業活動の結果や効果にも影響をもたらすことは間違いありません。

CXOレターが多くの企業に活用されている理由

CXOレターが多くの企業に活用されている理由多くの人は、手紙に対して少し古臭いというイメージを抱き始めているのではないでしょうか。

中には、すでに手紙文化を否定している人もいるでしょう。

しかし、未だに多くの企業が少なくとも営業施策の一つとしてCXOレターを取り入れているという事実があります。

また、世の中の働き方に対する考え方や取り組み方などの変化の影響を受け、徐々に注目度も高まっているようです。

その理由をさらに探ってみましょう。

気持ちや思いが伝わりやすい

手紙文化が少しずつ廃れているとはいえ、直接手紙を受け取って嫌な思いをする人は多くはありません。

手紙を受け取った人の大半は、少なくとも送り主が強い思いと覚悟で手紙を送ってきていると感じるのではないでしょうか。

特に、大手企業の重役という立場にある人であれば、送り主の気持ちを慮ろうとするでしょう。

若い経営者なども増えてはいるものの、未だ日本の多くの企業、とりわけ大手企業で決定権や決裁権を持つ立場の人は一定以上の年齢の人が多く、手紙文化に触れ育ってきた経験を持っています。

それが、このような要因を生み出しているのです。

相手への配慮にも繋がる

営業活動の一環として企業に対し何かしらのアプローチをすると、多かれ少なかれ貴重な時間を割いてもらわなければなりません。

それは電話でも飛び込み営業でも印刷DMでも、そして、CXOレターでも同様です。

しかし、手紙や印刷DMは、電話や飛び込み営業と比較すると、相手の時間をこちら側の都合で奪ってしまうことにはなりづらいでしょう。

時間があるときに目を通してもらえればよいからです。

企業の決定権や決裁権を持つ立場の人の多くには窓口となる秘書などがいますが、CXOレターであれば、そうした人たちも含めて手間や時間をとらせないという配慮ができます。

少しでも相手に対し失礼のない手段として用いるのに手紙営業は最適なのです。

コロナ禍の影響も

世界中がコロナウイルスのパンデミックに陥り、仕事に対する価値観や向き合い方にも大きな変化が訪れています。

日本でもテレワークを導入する企業が増え、対面による営業や商談が難しい状況にもなっているのではないでしょうか。

同時に、人と人との関わりが希薄になっていると感じる人も多くいるでしょう。

手書きのCXOレターは、直接会わなくても人の温もりや送り主の感情・感覚を伝えやすく感じやすいものといえます。

コロナ禍によりデジタル化が急速に進む時代だからこそ、手紙による「人」が感じられる温もりなどが大きな営業効果をもたらすと期待され、注目されているのです。

また、コロナ禍により企業の重役が感染リスクを避けるため出社を控え、自宅などで仕事を行うケースも増えてきています。

秘書などが直接届けるなどしない限り、CXOレターは相手企業のキーマンに届くまでに一定の時間を要するでしょう。

しかし、それは電話営業でも同様です。会社にいなければ取り次いでもらうことは難しく、大手企業の重役であればあるほど直接のアプローチが困難となります。

ただ、電話営業とは異なり封書による手紙であれば、企業の決定権や決裁権を持つ人物が出社すれば確実に目を通してもらうことが可能です。

コロナ禍で企業の重要人物にコンタクトしづらくなっているからこそ、手紙営業が有効に働く可能性が高まっているのです。

多くの企業がCXOレターに注目し活用にも積極的である理由が理解できるのではないでしょうか。

CXOレターのメリットや効果

CXOレターのメリットや効果営業施策の一つとしてCXOレターを導入することには、どのようなメリットや効果があるのでしょうか。

考えられるメリットをみていきましょう。

幹部や役員などのキーマンに直接アプローチできる

説明したように、CXOとは企業の重要な役割を担う人物を指しています。

そのような人に直接手紙を送れるのがCXOレターの最大の特徴であり強みです。

幹部や役員、あるいは社長や代表といった強い権限を持つ人物へのアプローチには、非常に高い営業効率を期待できるでしょう。

企業のトップなどのキーマンと、各部署の担当者が同じ感覚や価値観を持っているとは限りません。

商品の購入や契約に関する決定権者の意見や反応をみられる点は手紙営業の大きなメリットとなります。

また、企業のキーマンにダイレクトに働きかけることで、営業のプロセスを簡略化できるメリットもあります。

興味を示してもらえれば面談のアポイントメントも取りやすくなり、営業活動におけるすべての過程をスピーディーに進められるでしょう。

人脈を築く前でも確実に届けられる

通常、企業のトップやそれに近い重役と面談することは容易ではありません。

関係性がまったくない企業であれば尚更です。

しかし、CXOレターを上手に活用することで、人脈を築く前でも自社を認識してもらえるチャンスを生み出せます。

印刷されたDMでもなくメールでもない、手書きの手紙が届いて無視する重役は少数です。

深い興味を示してもらえるかは別として、少なくとも自社や商品の存在は確実に伝えられるでしょう。

よい商品を企画・販売していても、それを認知してもらわなければ購入や契約してもらうには至りません。

顔見知りでもなく仲介者がいるわけでもない企業のキーマンに、自社の存在を確実に届けられる唯一の手段が手紙営業であるといっても過言ではないのです。

よい印象を持ってもらえる可能性が高まる

企業のキーマンにダイレクトに届けることができ自社の存在を知ってもらえるとともに、よい印象を与えられる可能性が高まる点もCXOレターのメリットであり重要な効果です。

手紙の内容や構成、文字などにより印象は変わりますが、丁寧かつ適切な手紙が作成できれば、自社に対してポジティブなイメージを持ってもらえるのではないでしょうか。

良質なCXOレターは、送付先の企業に「熱意が感じられる」「自社のことを理解している」「人間力の高さを感じる」などの感情を抱いてもらえる武器となり得ます。

特に、相手が情に厚く人間同士の関わりを大事にする人であればあるほど、手紙の送付によりよい印象を持ってもらえる可能性が高まるでしょう。

その他の営業方法との差別化が図れる

営業施策にはCXOレターのほか、印刷DM、メールや電話、飛び込みなどさまざまな方法が考えられます。

それぞれに一長一短はあるものの、手紙ほど気持ちが伝わりやすく、確実に自社を認識してもらえる方法はありません。

印刷DMとの違いはすでに触れていますが、営業メールは毎日大量に届く他のメールなどと一見しただけでは区別がつきづらく、読んでもらえる可能性は手紙と比較すると非常に低いでしょう。

飛び込み営業では、そもそも各部署の担当者との面談が限度であり、規模や価格の大きな商品の購入・契約に関する決定権や決裁権を持った企業のトップクラスたちにはコンタクトできません。

電話も同様に、企業のキーマンと繋いでもらえる可能性は限りなく低いのではないでしょうか。

他の方法がセールスに特化しやすいのと比べ、CXOレターは個別の挨拶や関係性を重要視している点なども効果的に伝えられます。

製品やサービスの質などがよくても、あからさまな営業の仕掛けには距離を置きたくなるものです。

そうしたネガティブな印象を他の営業方法よりも与えづらく、人間同士の繋がりにフォーカスしている点こそCXOレターの大きな特徴であり、営業手法として取り入れるメリットとなります。

特に、重要度の高い企業へのアプローチには、他の方法との差別化が図りやすいCXOレターを積極的に活用すべきでしょう。

既存顧客のリピート率を高められる

新規開拓だけではなく、既存の顧客やすでに面談済みの顧客に対してもCXOレターは活用可能です。

感謝の気持ちや新たな商品の紹介などを手紙という媒体を利用し適切なタイミングで送ることで、既存顧客のリピート率や次回の面談・交渉への発展の可能性を高められるでしょう。

他の営業方法よりも気持ちや人間同士の繋がりをアピールできる手紙営業だからこそのメリット及び効果といえます。

特に、契約商品など継続性が重要なサービスを取り扱っている企業や、アップセル・クロスセルが見込める商品を提供している企業は、既存顧客にも積極的にCXOレターを送るべきです。

関係性を維持しやすくなり、企業の売上・収益アップに大きく貢献してくれるのではないでしょうか。

CXOレターのデメリット

CXOレターのデメリットCXOレターは企業に非常に多くのメリットや効果をもたらしますが、一方で、デメリットにも目を向けておく必要があります。

デメリットを把握したうえでメリットや効果を最大化できるよう、手紙を上手に活用した営業活動を行いましょう。

手間や工数がかかる

印刷DMやメールと比較すると、CXOレターは作成に手間と工数がかかります。

手紙の質を高めようとすればするほど、時間がかかることにもなるでしょう。

CXOレターは手書きが基本のため送付する企業が増えれば、当然ながら、その傾向が強くなります。

その手間こそが、気持ちや温もり、誠意や熱意といったものが伝わりやすいというメリットに繋がっているわけですが、営業施策として取り入れる際には、ある程度のリソースを割く必要がある点は押さえておかなければいけません。

重要度に応じて手紙営業を利用するか否かを適切に判断し、あるいは手紙の作成にかける手間などを企業ごとに変える工夫も求められるでしょう。

届くまでに時間を要する

メールであれば、送信した次の瞬間に相手に届けることができます。

電話も同様に、すぐに担当者などに繋いでもらえる可能性があるでしょう。

あらかじめ相手企業の決定権者のメールアドレスや電話番号を入手できていれば、時間をかけずに面談の申し入れなどが行えます。

CXOレターは、それらの方法と比較すると届くまでに時間を要してしまう点がデメリットの一つです。

郵便ポストに投函してから、実際に読んでもらうまでに最低でも2〜3日、長い場合には数週間ほどは要するでしょう。

相手の企業内でのポジションが上がれば上がるほど、届くまでに時間を要すると認識しておく必要があります。

その点も考慮して、営業戦略を練ることが重要です。

相手の反応を確認しづらい

手紙の場合、無事に届いているのか、開封してくれたのか、どのような感情を抱いてくれたのかなど、相手の反応がわかりづらいという欠点があります。

電話営業や飛び込みなどの訪問営業であれば、その場で相手の反応をチェックでき、それに応じて戦略を変更させることも可能でしょう。

しかし、CXOレターではそれが容易にできません。

相手からの返事などアクションを待つしかできないのです。

手紙の送付後のフォローコールで一定の反応は確認できます。

しかし、それも一方的なこちらからのアクションとなるため、送付先企業の素直な反応を知ることは難しいですよね。

相手企業のさまざまな反応や対応を想定しながらCXOレターを作成・送付することが求められます。

CXOレターを活用すべき企業とは

CXOレターを活用すべき企業とはCXOレターを営業施策の一つとして積極的に活用すべき企業の特徴を解説します。

もし、1つでも当てはまっているようであれば、手紙営業の導入を検討してみましょう。

ターゲット企業が少ない

CXOレターは量産が難しく、印刷DMのように同時に数千社にアプローチできるような営業施策ではありません。

そのため、ターゲットとなる企業がそもそも少ない企業に向いている施策となるでしょう。

企業によってはさまざまな製品やサービスを開発・販売しており、商品ごとにターゲット企業が異なるケースもあるはずです。

その場合には、ターゲットがより少ない商品にのみ手紙による営業を取り入れるという形を検討してみてはいかがでしょうか。

ターゲット企業が多くてもCXOレターを取り入れることに問題はありませんが、業界内の情報は伝わりやすい点には注意が必要です。

もし、同じような手紙を同時に数千社に対して送付した場合、受け取った企業や人物がその事実を把握した時点で、CXOレターの特徴の一つである「特別感」がなくなってしまいます。

熱い思いや温もりなどを伝える効果も薄まってしまうため、やはりターゲット企業はある程度絞り込む必要があるでしょう。

取扱商品の規模や価格が大きい

製品やサービスの規模・価格が大きい場合、それら商品の購入や契約には企業の重要人物が関わっているケースが大半です。

一部署の一担当者が決められるような規模や価格ではない商品を取り扱っている企業は、CXOレターを積極的に活用する価値が出てくるでしょう。

CXOレターで最初から企業のキーマンにコンタクトをとることで、担当者へのアプローチから重役へと少しずつステップアップする必要がなくなります。

もちろん、すぐに面談のアポイントメントや購入・契約に至るケースはほとんどありません。

しかし、企業の責任者や決定権者にダイレクトにアプローチすることで時間を短縮できることに加え、決定権者の反応や興味関心を早い段階で知ることが可能です。

いずれは到達しなければならないキーマンであれば、その人物に最初にアプローチすることは重要な営業戦略の一つとなるのではないでしょうか。

1つの成約が企業の売上や利益に大きく影響するほどの商品を扱っている場合には、CXOレターは必須の営業施策となるはずです。

強力なライバルが存在する

同業他社が多いケースでも、CXOレターの活用は有効です。

競合が多い場合、それぞれのライバル企業はさまざまな手段で新規開拓や購入・契約継続を狙ってくるでしょう。

より多くの企業へとアプローチするために印刷DMやテレアポ、飛び込み営業を積極的に行う企業もあるのではないでしょうか。

その中で手紙営業を取り入れ、企業のキーマンへと直接アプローチし自社の存在を認知してもらうことは、非常に重要な戦略となります。

もし、CXOレターを取り入れていない企業が競合他社に多い場合は、手紙の送付先企業にまったく異なる印象を抱いてもらうことができるでしょう。

その印象が、その後の面談や商品の購入・契約へと繋がるケースも少なくありません。

ライバル企業が多く、それらが非常に強力であればあるほどCXOレターの効果が高まるはずです。

CXOレター施策の手順

CXOレター施策の手順CXOレターを、どのような手順で作成・送付していくのか、そのプロセスを解説します。

大まかな流れを知りそれぞれの工程を分割することで、各担当者に割り振りながら効率のよいCXOレターの作成や戦略構築が行えるはずです。

送付先企業をリストアップ

最初に、CXOレターの送付先企業をリストアップします。

各企業の売上やLTV(顧客生涯価値)などをリサーチしていきましょう。

重要なのは、実際にアプローチを仕掛けることで購入や契約まで結びつけられるかという点です。

企業ごとに特徴や価値観などは異なります。

自社商品との相性や、自社商品を実際に購入・契約している企業の特色などを洗い出し、アプローチする価値のある企業を選別しなければなりません。

特に対象となる企業が多い場合には、各企業の重要度を明確にする必要があるでしょう。

自社商品と同様の他社商品をすでに導入等している企業であれば、競合他社からシェアを奪えるかなども慎重に検討します。

相手先企業に何かしらのメリットがなければ乗り換えの決断はしてもらえないため、他社商品の価格面や性能面、サポート面なども同時に情報収集を行い、CXOレター送付の価値の高い企業をリストアップしてください。

送付先人物の特定

CXOレターは企業そのものに送付するわけではありません。

送付先は、あくまで個人です。企業の選定に伴い、それぞれの企業の中で誰にCXOレターを送るべきなのかを選別・特定する必要があります。

可能な限り決定権や決裁権を持っているポジションの高い人物に送りましょう。

大企業になればなるほど各部署の責任者に権限の多くが移譲される傾向もあるため、社長や代表などトップへのアプローチが必ずしも効果的であるとは限りません。

あくまでも商品購入のキーを握る人物をターゲットとする必要があります。

ターゲットの選定ミスは、CXOレターの作成や企業の選別にかけた時間や手間を台無しにしてしまう可能性を高めます。

その人物の管理領域までリサーチし、どの程度の裁量権を有しているのか、自社商品の営業対象として適切なのかまで割り出しましょう。

そのうえで、所属する部署と役職、氏名を割り出し、送り先も含めてリスト化してください。

文面の作成・送付

送付先の企業や人物を選定したら、各企業・人物に送付するCXOレターの文面を作成します。

CXOレターで最も重要なプロセスとなるため、丁寧な作業を心がけましょう。

基本的には、送付する企業や人物に合わせた文面を用意します。

ただ、すべて異なる文面でなければいけないわけではありません。

一部は同じ内容であっても問題はないため、テンプレート化しておくと今後のCXOレター作成・送付の際の手間や時間を削減できるでしょう。

はじめてCXOレターを活用するのであれば、今後のことも考えながら文面の作成を行ってください。

適切な文面の作成には、相手先企業の徹底的なリサーチが不可欠です。

単なる自社商品のアピール文とならないよう、相手企業に寄り添った文面を作成しなければいけません。

送付に際しては、適切な封筒を選択しているか、切手の料金は足りているか、封筒や便箋などに汚れは付いていないか、不適切な折れや傷がないかなどを丁寧に確認しましょう。

相手先企業の住所や人物の氏名はもちろん、自社の住所や営業担当者の氏名の書き方などにも気を遣う必要があります。

住所や氏名を書く位置、文字の大きさ、インクの色や濃さなどが常識やマナーから外れたものであれば、それだけでCXOレターの効果が落ちてしまいかねません。

細かな点にまで注意を払い作成・送付することで、CXOレターの効果が最大化されると認識しておきましょう。

送付前には複数の人物で入念なチェックをすることをおすすめします。

電話によるフォロー

CXOレターの送付後、そのまま何もせずに待っていると相手先企業から連絡がきて面談へと至る、といった可能性はもちろんありますが、商談率を上げるサポートは必要不可欠です。

CXOレターを送付したら、必ず自分からフォローコールを入れてください。

相手に失礼な印象を与えないよう、手紙にもその旨を盛り込んでおきます。

フォローコールはCXOレターの送付後、3営業日目を目安に入れるのが一般的です。

3営業日の間隔では少し短いと感じるのであれば、1週間後を目安にフォローコールを入れてみましょう。

送付先の人物が、必ずしもCXOレターに目を通しているとは限りません。

電話を入れ企業名や自身の名前を伝えたところで、何の用件かわかっていないケースも考えられます。

フォローコールの際には、CXOレターを読んでいるケースと読んでいないケースとに分けて、伝える内容をそれぞれ考えておく必要があります。

また、相手の反応に応じて話す内容を変えられるような準備もしておきましょう。

前向きな反応に対しての提案と、ネガティブな反応に対しての提案が同じではいけません。

あらゆるケースを想定し、さまざまなパターンの伝え方や内容を用意しておくことが営業担当者には求められます。

CXOレターに盛り込むべき内容

CXOレターに盛り込むべき内容CXOレターの構成を解説します。

CXOレターに盛り込むべき要素をまとめるので、作成の際には参考にしながら相手企業に合わせてカスタマイズしていきましょう。

頭語

手紙の冒頭には、「頭語」を記載します。

相手への敬意を表すもののため、いきなり本文には入らず必ず頭語から書き始めましょう。

頭語にはさまざまな種類がありますが、一般的な手紙の場合には「拝啓」や「拝呈」が用いられます。

CXOレターであっても、これら「拝啓」などから書き始めても問題ありません。

ただ、より丁寧な表現を求めるのであれば、「謹啓」や「謹呈」などを用いることも可能です。

CXOレターを送付する人物の立場や役職などに応じて使い分けるとよいでしょう。

頭語には、よく見聞きするであろう「前略」もありますが、これは親しい人へ手紙を送る際などに用いられます。

CXOレターにはふさわしくないため、使用を控えてください。

時候の挨拶

時候の挨拶とは、季節に応じた挨拶のことです。

それに加えて、相手の健康を気遣う文言、企業の場合には繁栄等を讃える文言を書き記します。

時候の挨拶は非常に重要であり、これがあるだけで丁寧な印象を与えることが可能です。

特に、新規開拓を目的とした営業では欠かすことはできません。

時候の挨拶がないだけで無礼であるという印象を与え、その先の商談などへ進める可能性が減るリスクが生じるため、CXOレターには必ず記載してください。

時候の挨拶のポイントは、季節に合わせることです。

季節ごとに代表的な時候の挨拶が存在していますが、多くは旧暦に基づいています。

つまり、現代の実際の季節や気候とはマッチしないケースもあるのです。

春分や初秋など特定の時期や季節にしか使用できない文言や、暑さ寒さ、花など植物に関わる文言は、実際の季節・時期や体感などとのミスマッチが出ないよう注意してください。

時候の挨拶は定型文として使い回しが可能です。

時候の挨拶の使い回しは特に失礼にはあたらないので、はじめてCXOレターを作成する際に季節ごとにまとめて書き出しておくとよいでしょう。

自己紹介

新規開拓を目的としたCXOレターの場合は、予告などせず手紙を送付したことに失礼を感じていることを示すと同時に、自身に関する情報を記載します。

自己紹介に関しては、企業名と氏名をフルネームで記載しましょう。

氏名の前に担当部署を書き加えても構いません。自身が何者であるのかを、まずは明確にしておくことが重要です。

手紙を送付した目的

なぜ、わざわざ手紙を送付したのか、その目的を明確かつ端的に書き記しましょう。

このとき、より具体的に根拠も交えて構成すると、手紙を送付した目的が相手にもダイレクトに伝わりやすくなります。

また、CXOレターでは短い文面で何かしらのメリットがあることを相手企業に伝えなければいけません。

「力になりたい」「役に立つはずだ」「興味を持ってもらえるだろう」などのアピールも重要になってくるでしょう。

必要に応じて、自社の特徴も記載してください。

事業内容や、これまでの実績、得意分野などを伝えることで、何も記載しない状態と比べると信用度を上げる効果が期待できます。

自社の商品紹介

簡単に商品の紹介や説明を盛り込んでおくと、手紙を送付した目的や「力になれる」「役に立つ」などの文言に説得力が生まれます。

ただし、商品の羅列や具体的な価格までは触れないでおきましょう。

文章が長くなってしまうと、最後まで読んでもらえない可能性が高まります。

また、商品についてあまりにも具体的に触れると、CXOレターの段階で購入や契約に関する判断を下されてしまうリスクも生じかねません。

その多くは「我が社には必要ない」という判断になるはずです。

「具体的な話を聞きたい」
「必要か否かの判断には、さらなる情報が必要だ」
と思ってもらうことが、送付側にとってのCXOレターの目的です。

「新商品を開発した」
「すでに多くの企業に導入されている」
「業務効率や売上アップの実績データも出ている」
などの紹介や説明にとどめておくことがポイントとなります。

フォローコールの予告

CXOレターの送付後にはフォローコールを行う必要がありますが、手紙の中にフォローコールに関する予告も盛り込んでおきましょう。

どのタイミングで電話連絡を入れるのかをあらかじめ予告しておくことで、もし、それまでに送付先の人物が手紙を読んでくれれば、電話に出てもらえる可能性が高まります。

あるいは、秘書などが対応しやすくなるはずです。

何度も電話を入れることは場合によっては失礼にあたるため、相手が対応しやすいようCXOレターにフォローコールの日時などを記載しておくことをおすすめします。

面談等のお願いと締めの言葉

営業担当者としては、実際に面談を行い商品の売り込みをしなければいけません。

CXOレターは、そのきっかけにすぎないため、必ず手紙の中に面談等のお願いについても触れておきましょう。

フォローコールの予告のように、具体的な面談の日時について記載する必要はありません。

あくまでも「一度、話を聞いてもらいたい」といった趣旨を記載するにとどめておきます。

その後、感謝の言葉などを添えて、本文を締めます。

締めの言葉に関しても汎用性が高いため、定型文として複数の文言を用意しておくとよいでしょう。

結語

頭語とセットで使われ、手紙の最後に記されるのが「結語」です。

それぞれの頭語に対応した結語を使用する必要があるので、間違わないように記載しましょう。

例えば、頭語で「拝啓」を使用した場合、結語は「敬具」が多く使われます。

拝啓以外にも頭語で「拝呈」「啓上」などを使用した場合は、結語は敬具だけではなく「敬白」「拝具」などの使用が可能です。

より丁寧な手紙であることを演出したい場合には、頭語に「謹啓」「謹呈」「恭啓」などが使われますが、このケースでは、結語は「謹言」「謹白」「頓首」などの中から選択します。

結語はたった2文字ではありますが、間違った使い方をするとビジネスマナーや一般教養がないと思われてしまい、自社に対する印象も落ちかねません。

最後まで丁寧に記し、完璧なCXOレターを目指しましょう。

CXOレターの例文

CXOレターの例文CXOレターの例文を、新規開拓のケースと既存顧客や面談済みのケースの2つに分けて紹介します。

参考にしつつ、リサーチした企業情報を元に最適な内容や文言を選択してCXOレターを作り上げましょう。

新規開拓のケース

拝啓

新春の候、貴社ますますご繁栄のこととお慶び申し上げます。
一面識もないままの突然お手紙、大変申し訳ございません。
わたくし、〇〇株式会社〇〇部、〇〇〇〇と申します。

弊社では、Webマーケティングひいてはデジタルマーケティングに活用・応用可能な顧客管理システム等を開発・販売いたしております。

先日、貴社の業績発表の際に触れられた新規Web事業の立ち上げに際し、その一助になると思い、お手紙を差し上げた次第です。

弊社のシステムは、導入企業に必要な機能をカスタマイズし最適化することで、コストカットと効率向上との両立の実現が可能でございます。

すでに50社以上の企業に導入・運用いただき、すべての企業でマーケティングにご活用いただくとともに、満足の声もいただいております。

8割以上の企業で2割を超えるコストカット及び大幅な効率化の実現など、多数の実績もございます。

つきましては、弊社のシステムを貴社へとご紹介いただける機会をいただけないでしょうか。

弊社では、貴社のような新たにWeb事業へと参入する企業へのコンサル事業も行っております。

これまで多くの企業で弊社システムをご利用いただき、そこから得たデータを元に、マーケティングに活用可能なアドバイス等させていただくことが可能です。

○月○日○○時頃、わたくしの方から改めましてご連絡差し上げます。

その際、ご商談の可否についてご回答いただけますと幸いです。

また、弊社商品に関して、ご質問等がございましたら何なりとお聞かせください。

お忙しい中、大変恐縮ではございますが、ご検討いただけますと幸いです。

敬具

既存顧客や面談済みのケース

拝啓

時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
平素は格別のご愛顧をいただき厚くお礼申し上げます。

株式会社〇〇、〇〇〇〇です。

先日はお忙しい中、お時間をいただき誠にありがとうございました。

弊社の新たな製品に関しましては、先日お伝えいたした通りでございます。

また、ご質問いただいておりました件に関してですが、担当者に確認したところ、対応可能であるとのことでした。

つきましては、改めてお時間をいただき、最終的なプランの選定とご提案をさせていただきたいと考えております。

貴社の要望及び事業内容に沿ったプランのご提案とともに、それぞれのお見積もりもご提示いたします。

お手数をお掛けし大変申し訳ございませんが、弊社提案のプラン及びお見積もりをご確認いただいたうえで、ご判断いただけますと幸いです。

後日、改めてご連絡差し上げますので、その際に日程の調整等させていただけないでしょうか。

お忙しい中とは存じますが、何卒宜しくお願い申し上げます。

敬具

CXOレターの効果を高めるポイントやコツ

CXOレターの効果を高めるポイントやコツCXOレターは、細かな点に注意するだけでも、相手に与える印象がまったく異なるものとなります。

手紙営業の効果を高めるポイントやコツを押さえておきましょう。

社用封筒は使わない

多くの企業では社用封筒が用意されており、ビジネスに関するやり取りに使用されているのではないでしょうか。

しかし、CXOレターでは社用封筒を使わない方が高い効果が期待できます。

社用封筒は飾り気がなく、すでに社名なども印字されているため特別感も演出できません。

また、受け取った側は営業のイメージを強く抱いてしまうでしょう。

場合によっては、開封されずに処分されてしまう可能性もあります。

CXOレターでは社用封筒ではなく、できる限り高級感や特別感が感じられる封筒を使用してください。

和紙で作られた封筒などは、見た目だけではなく手触りも一般的な封筒とは大きく異なります。

社用封筒などと比べると開封してもらえる可能性は高まるでしょう。

ただし、あまり奇抜であったり派手であったりすると、逆効果となることもあるので注意が必要です。

高級感はありながらシンプルで、清潔感のある封筒を選ぶことがポイントとなります。

文面などは縦書きで

基本的に、宛名や文面などはすべて縦書きで作成しましょう。

意識的な問題ではありますが、受け取る側が日本人である以上、横書きよりも縦書きの方が、より丁寧さや敬意などを感じてもらいやすくなるはずです。

縦書きは日本語に適しているため文字から文字への流れを生み出しやすく、横書きと比べると文章全体が綺麗に見えやすいというメリットもあります。

相手企業に触れる際や自社の商品の説明の際に、どうしても横文字を多用しなければならないなど、特別な事情を除いて、CXOレターは縦書きで作成することをおすすめします。

宛名も文面も手書きで作成する

CXOレターの作成は手書きが基本です。

印刷は非常に楽ではありますが、それではCXOレターを営業手法として選んだ意味が半減してしまいます。

便箋に書き封筒に入れる形であっても、手書きと印刷では相手に与える印象は大きく異なるでしょう。

印刷では、やはり他の多数の企業に同じ文面の手紙を送っていると思われてしまいかねません。

どのような企業であっても、その他大勢に含まれていると認識した時点で嬉しい気分にはならないはずです。

書き間違えるなどのリスクは確かにあり、また、字が綺麗に書けない人にとっては難しい作業とはなりますが、それでも手書きのCXOレターに勝るものはないと認識しておく必要があります。

可能な限り短く端的にまとめる

CXOレターは営業活動として用いられるため、どうしても自社や自社商品のアピールに力が入りがちです。

悪いことではありませんが、あまりにも文量が多くしつこい内容になっていると、直接会ってみたいと思ってもらいづらくなるでしょう。

可能な限りシンプルに要点のみを伝えることを意識することが、印象のよいCXOレターを作成するコツです。

丁寧さは保ちながらも、コンパクトな文面の中に必要な情報を盛り込めるよう工夫しなければいけません。

最初は大変かもしれませんが、ある程度コツを掴むとスムーズにCXOレターの作成が可能となります。

一度質の高いCXOレターが作成できれば、その後は、それを少しずつ修正・変更しながら活用可能です。

企業独自のCXOレターのフォーマットを最初に仕上げておきましょう。

記念切手で特別感を演出

封筒は和紙を使ったものなどが好ましいと説明しましたが、同じように切手にもこだわりましょう。

量産型の普通切手では、素っ気ない印象を与えてしまいます。

記念切手など特別な切手から選んでください。

記念切手にもさまざまなものがあります。

CXOレターを送付する際には相手企業や送付先の人物について調べているはずです。

その情報から、各企業や人物に合った記念切手が見つかるようであれば、それを選ぶとよいでしょう。

企業の所在地にちなんだ記念切手でも構いません。

送付先の人物の生まれ育った地域にちなんだものであれば、非常に大きな効果が期待できます。

気が付いてくれるかは未知数ですが、気が付いてくれることを前提として切手のデザインを選ぶ意識を持つことが重要です。

文面を使い回さない

時候の挨拶などは決まり文句であり、ある程度使い回せるものではありますが、それ以外の文面に関しては同じ表現を使い回すことは避けましょう。

文章的には美しくても、使い回しにしていることには気付かれてしまうはずです。

特に、企業の重役に就いている人物は手紙のやり取りをする機会も多いため、書き手の思考を汲み取れる人も少なくありません。

どの企業宛てでも通用してしまう文章や、当たり障りのない文面、自社や自社商品の売り込みに終始した表現などは使い回しであると判断されるため避ける必要があります。

同じ商品であっても、送付先企業によってはアピールする箇所が異なるケースも考えられるでしょう。

自社商品は、送付先の企業が本当に望んでいるものだと伝えることがCXOレターの大きな目的です。

効果的なアピールと送付先の人物の印象に残ることに重点を置いて、文面の作成に臨む必要があります。

用件やお願いは1通につき1つ

CXOレターに盛り込む用件やお願いは、1通につき1つにとどめておきましょう。

1通のCXOレターで、まったく異なる複数の商品を売り込むことなどは避けなければいけません。

面談を臨むのであれば、面談のみのお願いにとどめておきます。

それ以外に、例えばイベントへの参加を促したり「弊社の商品に興味を持ちそうな企業様を紹介してください」と送付先とは異なる企業との仲介役をお願いしたりなど、複数の用件やお願いを盛り込むことは失礼にあたるので控えましょう。

欲張ってはいけません。

過剰な営業は控えるとともに、短期的に結果や成果を求めるような内容にしないことも重要なポイントです。

熱意や意気込み、思いなどを1つの要件やお願いに込めることが、CXOレターの効果を上げるコツとなります。

CXOレターは代行サービスによる作成も可能

CXOレターは代行サービスによる作成も可能CXOレターは、完璧を求めるほどに時間や手間のかかる営業施策となります。

今後、多くの取引先の獲得を望む企業にとっては、CXOレターの作成や送付の作業すべてを自社で賄うことは難しいのではないでしょうか。

そのような場合には、手紙やハガキの手書き代行サービスの利用も検討してみましょう。

送付企業や個人のリスト、文面データなどを用意すると、手紙の手書き代行サービスがそれを元にCXOレターを作成し送付してくれます。

企業の手間や時間を大幅にカットしながら、非常に効果の高い手紙営業を行うことが可能となるのです。

高級感のある和紙を使用したり、複数の筆跡が選べたりと、サービスが充実している手紙の手書き代行サービスもあります。

そのようなサービスを利用することで、CXOレターのデメリットを最小限に抑えながら、気持ちや思いが伝わるCXOレターを作成・送付することができるでしょう。

メリットが多く効果の高い営業手法であるCXOレターを積極的に活用しよう

企業のキーマンに直接アプローチできるCXOレター。

非常に効果が高く注目され直してきている営業施策です。

メールや電話などとは異なる効果も期待できるでしょう。

手書きが基本のCXOレターは手間がかかる点がデメリットです。

しかし、このデメリットは手紙代行サービスの利用で最小化できます。

このようなサービスも有効活用し、気持ちや温もりなどが伝えやすいCXOレターを営業手法として取り入れてみてはいかがでしょうか。